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椎間板ヘルニアの原因となる動き

椎間板ヘルニアと腰痛は原因がほぼ共通である

腰痛」≠「椎間板ヘルニア」とはいうものの、全く性質の異なる疾患かと言われればそうではありません。「椎間板ヘルニア」とは「腰痛」の「延長線上」に存在する疾患であるといえます。

勿論それには理由があります。

  • 患部が同じL4/5に多い
  • 対象となる(傷める)組織が共通
  • 共に生活習慣病である

といったように、共通点がとにかく多く、いわば「腰痛」とは「椎間板ヘルニア」予備軍ともいえるべき存在なのです。その為、きっかけになる動作も共通したものが殆どとなっており、

これらが代表的な椎間板ヘルニアを引き起こしやすい動作/姿勢となります。やはり腰痛と同じく、その特徴は「長時間の同一姿勢の維持」によって特定部位の筋肉/関節に継続的な負荷、あるいは突発的な負荷が起こるという共通点です。

1.長時間の着席維持(事務/パソコン作業/車の運転含む)

現代社会において、若年層に増えている「椎間板ヘルニア」の原因は主にこれです。中高生の椎間板ヘルニアは「学校での着席姿勢」「塾での着席姿勢」といった長時間の姿勢維持によるものが大きいのは間違いでしょう。

「でも、うちの子はクラブ活動中に椎間板ヘルニアを起こした」

と仰る方もいらっしゃるとは思いますが、それなどはこうした長時間の負荷が筋肉の機能不全を引き起こし、その状態で激しい運動をした結果、椎間板ヘルニアになった場合が多く、根本的な犯人はやはり、こうした長時間/軽度の負荷にあるのです。

着席の姿勢よりも長時間の着席自体が問題

パソコン仕事,勉強の姿勢等、正しい姿勢で「腰に負担を与えない」座り方が様々な媒体で紹介されています。また、腰にかかる負担を抑える為の沢山の便利グッズも販売されており、健康ブームもあってか売上げは好調のようです。

ですが、本当の問題は「姿勢」ではありません。長時間の「着席姿勢の維持」にあると椎間板ヘルニアの医学は考えています。

長時間の着席姿勢によって「同一姿勢」が取られ続けるという事は他でもない「限定的な部位(骨格/筋肉)への継続的な負荷」です。つまり、そのままにしておくと身体の中で「継続負荷と負荷軽減」のアンバランスが生まれてしまい、身体が本来在るべきバランスから歪んでいってしまいます。

それを更に継続しているとどうなるか。着席時に負荷のかかる筋肉は徐々にコリ固まり機能不全(オーバーヒート)を起こし、負荷軽減が起こった筋肉は徐々に筋肉が弛緩し筋力低下、やはり機能不全(鈍る)を起こしてしまいます。

当然、筋肉による支えを失うにつれて、椎間板にかかる負担は大きくなっていきます。こうして椎間板自体にも徐々に疲労が蓄積していってしまうのです。

同一姿勢の長期化は蓄積⇒爆発の椎間板ヘルニアを引き起こしやすい

「椅子に座る」という行為自体はそれ程大きな筋力を必要としません。ですので、「筋肉を使っている」という自覚は恐らく殆どの人にとってないはずです。そして、そこが一番厄介な点であると考えます。

自覚がないゆえに、疲労の蓄積は水面下で進み、最後の段階になって「プチッ」と椎間板が破裂してしまう。それがこういった「蓄積⇒爆発」の椎間板ヘルニアなのです。

勿論、椅子に座る姿勢に限るものではありません。同じ姿勢で立ちっぱなしのモデル業/販売業等も同様です。「同一姿勢を長時間取る必要がある」タイプの職業全てに、この落とし穴は潜んでいると考えてください。

⇒ではどうすれば良い??予防法についてはこちら

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2.長時間の前傾姿勢の維持(料理/掃除)

これも「蓄積⇒爆発」の椎間板ヘルニアに多いケースで、特に主婦など家事に関わる人に多い症状です。

最近、「主婦業は年収にすると15,000,000円相当である」とする発表がありましたら、実際に貨幣換算は置いとくとして、主婦業に関わる仕事はとても腰を痛め易いものがそろっています。例をあげますと

  • 掃除機による掃き掃除
  • 雑巾による拭き掃除
  • 洗濯物回収/干し作業
  • 料理

これらの仕事は「軽い前屈」を「継続的」に要求する動作です。つまりは「椅子に座りっぱなし」と同じ原理の負荷がかかってきます。

当然、主婦が持つ椎間板ヘルニアの主要因です。

更に言えば、事務作業のように決まりきった位置ではなく、家中を動き回り、小まめな姿勢の修正(負荷は継続しているが)を求められる為に、肉体的な疲労は机に座りっぱなしの比ではない可能性が高いです。

※肉体的にはとても大変だが、感覚的には小まめな「動き」が気分転換になるので苦ではないとする人が「思いのほか」多い。しかし、腰にとっては余り在りがたい話ではないのも事実で、「適度な全身運動」というより「過酷な限定部位への運動」となってしまい限定された部位に疲労が蓄積されてしまうケースが多い。女性に慢性的な坐骨神経痛/膝痛が多いのはこうした長年にわたる家事による影響が決して小さくないとする意見も根強い。

世のご主人へ >> 主婦が毎日行う家事は実はとても「重労働」なのです。

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3.段差のある場所での昇降動作(主に下り)

このケースは「ジャンプ」の着地が最も多いです。階段の残り数段を「ピョン」と飛び降りてしまう。子供のように体重が軽く、また背丈もそれ程無く、更には筋肉が非常に柔軟であるならその衝撃もしっかり吸収できると思います。ですが、成人を迎えると流石にそうはいきません。

中学,高校生の時と同じ感覚で「ピョン」としてしまうと、着地の瞬間に腰が「グキッ」とスライドしたかのような錯覚を感じてしまうリスクが大きいのです。

そして「グキッ」だけに収まらず「パンッ」と椎間板が破裂してしまう事も多いのです

腰椎の筋肉が弱っているときには普通に降りる動作すら負担が大きい

階段の昇降運動は主に「膝関節」に関わる運動だとお考えの方が多いと思います。それは確かにその通りなのですが、決して腰に無関係の話ではありません。膝関節の負担は骨盤を経由して、やはり腰椎にも関わります。何故なら、膝関節の動きに合わせて骨盤/腰椎は上半身を支える必要があるからです。

その感覚は階段を降りるときに体重移動をしっかり意識してみるとすぐにわかります。

膝に伝わった負荷はそのままお尻裏側〜腰へと伝わりクッションのように反発します。それが負荷の経路です。特にお尻の筋肉が引き締まる感覚を掴めると思います。

この時にかかる負荷は自身の体重を遥かに超える負荷です。中々自覚できないので驚く方がいますが、普通に倍以上はかかると考えてください。

腰が弱っている時にはこの負荷は非常に重たいですので、一歩一歩をしっかりと体重移動を行い、膝〜腰に優しい運動で階段の昇降を行うようにしてください。

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4.重い荷物の持ち上げ

引越しの際、ちょっとした手伝いの際に起こりやすい運動です。

現代社会においては基本的に「腰を入れて」何かを持つ事自体が職業的な動きとなりますので、殆どの人が「重たい物の持ち方」を知らない時代になってきています。

特に増えているのが床にあるものを持ち上げるときに、「膝を曲げず」に「腰を曲げる」人です。これは腰、腰椎(オヘソ〜お尻の周辺の背骨)にとって最悪の姿勢ですので、絶対に避けてください。この姿勢を取って「グキッ」としてしまった場合、誰を責めることもできません。それは「起こって当然」なのです。

膝を伸ばし(しっかり曲げず)、腰を曲げての持ち上げは腰椎が主役となる(テコの支点)

この腰にとって最悪の姿勢を取るとどうなるか。正に梃子の原理です。

折り曲げた腰の支点(腰椎)が正に梃子の支点となり、足先と背中(頭)による梃子の原理が生まれます。当然、荷物を持ち上げようとする際に生まれる力は背中が力点となります。(※厳密にはちょっと違うかも)

つまり、力点である背中に「フン!」と力を入れて持ち上げようとすると支点である腰椎が「ウオオリャァァ!」と声には出しませんがそれくらいの差のある力をかけて持ち上げようとするわけです。勿論、力点には全くそんな苦労はわかりません。

その結果、腰が「グキッ」と、そして「パンッ」といくのです。

⇒腰を入れてしっかりと腰〜背中全体を使って持ち上げましょう

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5.重い荷物の持ち運び

これは「4.重い荷物の持ち上げ」とほぼ同じ原理です。

「腰を入れず」に腰椎という「支点」を使って物を支えようとする結果、「ピキッ」と腰椎が悲鳴をあげてしまいます。

更には腰椎に挟まれている「椎間板」が破裂してしまいます。特定部位にだけ負荷が集中する為、負荷を吸収しきれないからです。

「腰」という点を使って持ち運ぼうとすれば腰にとっては最悪の姿勢となります。ですので、骨盤〜腰〜胸の全体、更には「腕」もしっかりと使って「面的」に荷物を支える(抱え込む)ようにして下さい。

コツを掴めば嘘の様に荷物が持てるように

この「腰の入れ方」についてはコツさえ掴めば今まで「重たい〜重たい〜」と感じていた荷物もスンナリ運べるようになります。この腰を入れる感覚は「筋肉をバランスよく活用する」という事にも通じますので、この重たい荷物を持ち運びするケースを通して、筋肉を使いこなすという事のメリットを感じてみてはどうでしょうか。

その感覚の違いに驚かれると思います。

「荷物も身体の一部として、全体として捉える」

この感覚が掴めると、多少重たい荷物でも、確実に運べるようになりますよ!

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6.バランスの悪い姿勢での物の受け渡し

これは具体的にどういった姿勢か、と説明をするのが難しいのですが、例を出すなら

  • 階段越しに片足でバランスを取りながら
  • 椅子に座って背中を反らせ+腕を伸ばしながら

といった姿勢がよくあるケースです。それ程頻度としては高くはないのですが、最近は身体が疲れている夜半に仕事で使うちょっとしたデータ媒体のやり取り等で「椅子に座って背中を反らせ+腕を伸ばしながら」受け渡しをしようとして、「グキッ」としてしまうケースが多いようです。

腰は筋肉でいうならば「腹筋」と同じ役割をしています。上半身と下半身を繋ぐ非常に大切な部位です。逆にそれだけ重要な部位なので、どうしても負荷という面では他の部位に比べると過剰なものがかかっているのも事実です。

しかも腰椎部は柔軟な動きに対応できるように、肋骨部位のような保護骨格もなく、柔軟性を得るために不安定な構造をしています。

腰は多くの方が思っている以上に重要であり、複雑であり、そして繊細なのです。

なるべく、腰には負担のかからない、自然な姿勢を心がけるようにしましょう。

※このタイプで腰を痛め、椎間板ヘルニアとなるのは中高年に目立ちます。どうしても若いときと同じ動作をしてしまう(癖となっている場合が多い)と、柔軟性を失っている筋肉/椎間板は当然悲鳴を上げます。生理的な、加齢による能力/機能低下を「事実として認められない」場合には更に起こる可能性が高くなります。つまり、椎間板ヘルニア対策は「年齢に応じた身体との付き合い方」を学ぶ事がとても大切になるのです。

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7.急激な捻り運動(スポーツ/振り返り)

これはスポーツ選手に多いケースです。

どうしてもスポーツとなると激しい動き、それも左右上下、とにかく動きの変化が激しいのが特徴ですから、当然腰に対しての負荷はとても大きなものになります。バスケットボールの右から左への切り替えし、サッカー/アイスホッケー/陸上ホッケー/ラクロスも同様です。勿論陸上の短距離走、長距離走も激しい負荷が着地の瞬間に膝関節から腰へと伝わります。ラグビーやアメリカンフットボール,柔道等は最たるものです。

また、スポーツ選手は筋力トレーニングを行いますが、若い時期はしっかりとした休養を筋肉に与えることなくトレーニングを続けてしまう傾向があります。この場合、筋肉の回復が起こらずに疲労蓄積が進み、逆効果です。

練習熱心な選手ほど、実は故障を持ちやすい傾向があるのですが、これ等は「熱心過ぎるがゆえ」の身体の悲鳴である事が多いです。

この場合、競技の性格上として避けられない負荷は仕方がありません。ですので、せめて定期的に筋肉を休ませ、また競技に余り使わない、必要とされない筋肉にもしっかり目を向けて鍛える事により、競技特有の負荷にも耐えうる身体を作る事が求められます。

日常生活の振り返りにも可能性はある。

急激な捻りというとスポーツの際に起こるような本当に激しい動きをイメージされる人が多いのではないでしょうか。ですが、日常的な「振り返り」動作でも椎間板ヘルニアの引き金にはなるのです。些細な振り返りであっても十分可能性はあります。それは何故か。

疲労蓄積を起こしている筋肉には(正常時には)何でもない負荷であっても過負荷になるからです。

簡単に言えば、通常の負荷許容量が10だとします。しかし筋肉疲労によって負荷許容量が5まで下がっている時(機能不全時)に6の負荷がかかれば「引き金」としては十分なのです。

その為、場合によっては名前を呼ばれて振り返った瞬間、肩を叩かれて振り返った瞬間に「コキッ」そして「パンッ」といってしまう事もあるのです。

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