椎間板ヘルニアの代表的な症状について
激しい腰下の痺れ(太もも裏側〜足先まで)
椎間板ヘルニアの中でも特に厄介なものが「痺れ」の症状です。
- 「背中を反ると太ももの裏側から下がビリビリ!!と痺れ/痛みが走る」
- 「背中を丸めるとビリビリ!と痺れ/痛みが走る」
- 「咳をしただけで骨に響くようだ」
といった、特定の姿勢/動作を取ろうとした瞬間に「ビリビリ!!」と痺れが走るのが椎間板ヘルニアの特徴です。
ぎっくり腰等の腰痛症状の場合は「痺れ」は発症しません。
どうして、腰痛では痺れはないのに、椎間板ヘルニアの場合には痺れが発症するのか。
それは神経圧迫が椎間板ヘルニアの場合は起こっているからです。
- ビリビリ!の犯人は「神経圧迫」である -
※椎間板ヘルニアは腰痛の延長線上で発症する事が殆どのため、痺れと一緒に激しい腰痛(腰部筋肉の激しい炎症反応)を併発する事が多いです。その為「激痛+痺れ」が椎間板ヘルニアの初期症状としては一般的です。
運動障害/感覚障害
椎間板ヘルニアはただの腰痛ではありません。神経圧迫というとても厄介な状態です。
「痛みがあんまりないから大丈夫」と思う人も多いですが、神経圧迫は言うほど楽観視できる状態ではありません。
- 手/足の反応が気持ち鈍くなった
- 親指に力が入らない(足でジャンケンができない)
- 叩かれてもあまり感覚がない
- トイレで気張れない。長時間の我慢ができない
といった運動/感覚神経の機能不全を引き起こしてしまいます。椎間板ヘルニアによって常に神経が圧迫されてしまっている状態の為に「神経が鈍磨」してしまい、「運動能力」「知覚能力」が徐々に衰えていっているのです。
特に「トイレ等で不便を感じる」といった所謂排尿障害を自覚された場合は神経圧迫がかなりの長時間続いている可能性が高いですので早急に対処が必要です。
「人間は慣れる生き物」とは良く言いますが、これは正に「神経」にも当てはまる話です。(むしろ神経そのものに該当する話)
「痛みに慣れる」程度ならまだ良いですが、「鈍磨状態」に慣れてしまうと上記のような感覚/運動障害が現れ、進行していくばかりですので、なるべく早めに対処するようにしてください。
※運動障害でよくある症例は「躓く事が最近増えた」というケースです。これは頭でイメージした分だけ足が振りあがっておらず、足をつっかえてしまう事から起こってしまう運動機能障害です。こうした、「あれ?」と思いつつもそのまま流してしまうような出来事の中に、身体のメッセージは含まれていますのでご注意下さい。
圧迫される神経は「中枢」か「抹消」で痛みの範囲が分かれる
椎間板ヘルニアによって圧迫される神経は二種類あります。
- 脊髄中枢神経
- 脊髄末梢神経
となります。
1.脊髄中枢神経 ⇒ 左右両側に痺れ
背骨を縦断するまさしく「中枢神経」になります。頭から骨盤部分の「馬尾」と呼ばれる部位まで縦に走っています。頭から馬尾までの間、身体の各部位から「抹消神経」が分岐しており、身体の隅々まで神経が行き渡っています。この中枢神経を直接圧迫されてしまうと、その支配神経である左右両方の末梢神経上に神経痛が発症します。
ですので、両側が同時に痺れる場合、末梢神経ではなく、脊髄中枢神経が圧迫されている可能性が高いです。
2.脊髄抹消神経 ⇒ 左右どちらか一方に痺れ
脊髄中枢神経から左右に分岐し、四肢の隅々まで行き渡っている正に人体の「抹消」部位まで網羅する神経です。その支配部位は右側から分岐しているのは右側のみ。左側の場合は左側のみになります。通常の椎間板ヘルニアの場合は末梢神経の圧迫が多いので左右いずれかの下肢が痺れる場合が多いです。
※あくまで「そうした傾向が強い」という事になりますので「必ずそうあるわけではない」という前提で参考にして下さい。
椎間板ヘルニアのタイプについて
椎間板ヘルニアの際に圧迫される神経には2種類あるのは先述の通りです。
それに加えて、椎間板ヘルニアには4つのタイプに分けられます。これは椎間板の構成要素である「髄核」がどのように飛び出すかによるものです。
- 膨隆型 > 繊維輪軟骨は突き破らず、後方突出。後縦靭帯は破らず
- 脱出型 > 繊維輪軟骨を突き破り、後方突出。後縦靭帯は破らず
- 穿破脱出型 > 繊維輪軟骨に加え、後縦靭帯をも突き破り後方突出。
- 遊離脱出型 > 完全に遊離してしまい、髄核がこぼれ落ちた状態。
これらが椎間板ヘルニアの「ヘルニアのタイプ」となります。
※主に「手技療法」で対処可能なのは一般的に「膨隆型」「脱出型」までとなります。後縦靭帯を突き破ってしまった場合は既に椎間圧力の変化とは別の次元でのヘルニア発症となってしまうので、治療法としては外科的手術を奨めるケースが一般的です。
※最近注目を集めているPLDDレーザー治療(減圧術)もやはり「椎間圧力」によるヘルニアを治療対象としていますので、穿破脱出/遊離脱出タイプには余り治療効果が期待できません。
ヘルニアは何故起こるのか?
椎間板ヘルニアが起こるにはやはりそれなりの「理由」があります。そしてその理由の中で特に多いのが
の二つです。
1.過負荷による内圧の異常上昇
椎間板ヘルニアの中でも特に若年層の椎間板ヘルニアに多いのがこのケースです。
特定の部位(腰椎4番5番に特に多い)に過度の負荷が「瞬間的」にかかってしまう事により
「ぷちっ」
と髄核が繊維輪軟骨を突き破ってしまうのです。
このタイプの椎間板ヘルニアには姿勢の歪みによって「腰椎4番5番」が固定され、徐々に疲労が蓄積していく事によって、「引き金の動作」と共に一気に「ぷちっ」っと髄核が繊維輪軟骨を突き破ってしまうケースも最近では増えてきています。
2.老齢化による組織の劣化
この原因による椎間板ヘルニアは高齢者に特に多いタイプになります。
椎間板とは本来は背骨のクッション材として機能をするべき組織です。その為、椎間板はとても柔軟性に富んだ組織で、水分も豊富に含んでいます。しかし、肌の保湿が加齢と共に衰えていくように、やはり椎間板内の水分も徐々に失われてしまい、その柔軟性をも失っていきます。
その結果、徐々にクッション材としての機能を失ってしまい、本来であれば問題にならない負荷であっても、柔軟性を失った状態では「過負荷」となってしまう事から椎間板ヘルニアを引き起こしてしまう事が多いのです。




